[41]佐々宝砂[2004 12/03 19:40]★1
とき、目を閉じて他の感覚が敏感になったのだろうか、何かひどく生臭い匂いがした。何だかわからないが生きものがそこにいる、と私は感じた。唸り声と生臭い匂いは、そのまま私の頭の上にのぼってきた。皮膚には何も感じない。ただ、声と匂いだけが私の頭から足の方へと移動してゆく。それは、私の足先までやってくると、不意に気配を消した。同時に、私の金縛りが解けた。私は飛び起きて枕元にある時計を見た。夜中の1時45分だった。

当時の私はアホだったので、こりゃきっとインキュバスよルンルン♪(「ルンルン」という言葉が流行った時代であった)と大喜びで、かつ、なんで目を閉じてしまったのだろうかと悔やみ、あれをもういちど体験したいもんだと思った(別に気持ちよかったわけではない。面白かったのだぁ)。そこで、実験精神に富んだ私は、何度も同じ時間に同じシチュエイションで寝てみたり、次の年も同じ日付の同じ時間、同じ格好で寝てみたりしたのだが、その後二度と同じ現象は起きなかった。つまらん。幽体離脱できる誰か襲いにきなさい。霊体で来るなら歓迎だぞ(今もアホだなぁ私……)。
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