[660]佐々宝砂[2014 01/06 12:41]★2
私は夢に登場しない。ただ俯瞰している。
いつかわからない時代のどこかわからない国。
その女は両手の欠損した男女の双子と暮らしている。女の髪は黒くて長い。黒髪の人間は少ない。女は仕事を探して街に出る。街でガラス工芸職人と出会い、弟子になる。職人はサディスティックで、女が仕事に失敗すると、女の足首の片方をきつく縛って天井から吊るす。足を引きずって女は自宅に帰る。両手欠損の双子たちがリンゴを食べながら子豚とチャールストンの歌についてしゃべっている。女は眠って夢を見る。
夢の中で女は美しい森を歩く。うっとりしているところに女の顔見知りがたくさんやってきて森や花畑を踏み荒らす。女が怒って彼
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