[635]あおば[2011 02/06 22:18]★1
せたまま入ってくる。お客さんかと外に出て車の後ろに廻ったところ、荷台に白菜、レタス、キャベツ等の葉物の野菜を並べたバーハンドルのオート三輪だった。運転しているのは何処かで見たような記憶のある二十歳前後の精悍な青年で、姻戚の誰かのようだがと思い出せない。愛想笑いを浮かべながら、ついでだからお茶でも飲んでいったらと、心にもない愛想を言うと、脇にいる隣家の小母さん(母の友人)もしきりに勧める。幼い甥や姪達も群がってきてオート三輪にまとわりつきながらぐるりと一周するうちにボクシングの亀田兄弟の誰かにそっくりの顔をしたこの青年はこの後にはなにもスケジュールは無いからと思わせぶりの表情で、今夜の行動メニューを横書きのノートに書き込んでは思案している。内心長く居られて欲しくないと思いながらも早く売り払わないと野菜が萎れてしまうのにのんきな男だなとも思い、ツゲ義春のマンガにも夏の最中、兄貴がオート三輪で野菜を売り歩く場面があったなと思いだす。
現在と過去がリアルに入り交じったカラーの夢。
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