完成しない巻頭詩
 
檸檬の香り 
都合の良い鈍感力は 
増殖する焔と 
なりすましで善人面と素の悪とを使い分ける 
あらかじめ描かれていた 
音と光と月 
願掛けすることも相手も思いつかず 
群青の空に林立する白亜 
背乗りをそっとしてみる 
早朝の鮮烈な冷気と 
虹の消失 
平行になるギプスの足枷 
夏の香り 
それはなりすまし 
ノイズが塗り込められた 
丘のうなじに 
冷たく横たわる 
髪に四角い詩グの残り香 
雲母の飛行経路と 
揺らめいて蒼 



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