完成しない巻頭詩
 
勝手にビールを注いできた 
電柱の上の細い月に 
大きな眼球を思い出す 
一でも詩 
姉さん黒い風ですね 
どこまでも追いかけてくるシナ人 
午後の丸ビルの雨だれに 
黄色い大きな頭に乾いた血をつけて 
あら内田百?よ 
川の淀みに尾が見えた 
偽装記憶だけれど 
デパートの壁についていた星をはがしたのは 
鼓動の調節がうまい 
僕はいまドロボーをやっているよ 
あれは井伏だったろう 
ピカと光ったのは狐の眼だった 
バネ仕掛けのスズメガが 
水車の裏手で 
勝手に上がりこんできた 
坂道を上がると巨大な門柱が見えた 



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