ポイントのコメント
[洗貝新]
よく知らない市内の繁華街に向かって車でドライブしたんだ。 人通りの多い街中に入るのが嫌だったので、 少し離れた道路脇に駐車して、連れの彼女を遠くまで歩かせてしまったよ。 それでも、彼女もよく知らない街だったので文句ひとつ言わなかった。 何処へ何をしに行ったのかもはっきり覚えてないけどね、 二人とも、汗流しながら駐車してある場所まで帰ってきたら、 車のライトつけっぱなしでバッテリーあげてたんだ。 あの当時たぶん近くにはガソリンスタンドもなかったんだろう。 あちこち彷徨いて困り果ててるときにさ、 ヤンキー風の兄ちゃん二人連れが改造車で声かけてくれたんだ。 彼女美人だからちょっと心配になったけど、 親切にバッテリーつないでくれてね。 御礼に少しお金を渡したかもしれない。 〜気をつけて〜もう辺りはすっかり宵闇さ。 手を上げて去っていったよ。 景色も兄ちゃんたちも彼女の顔さえよく覚えてはいないけれど、 あの場面だけはアタマに残ってる。 いま思い出しても気恥ずかしくて、切なくなるね。 男の子にはあるんだよ。 こんな思い出がね。
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