ポイントのコメント
[朧月夜]
生きた哲学のように思えて興味深く読ませていただきました。ただ、資本主義と社会主義の捉え方は少し古いのではないかなということを感じます。社会主義を資本主義の後に登場するもののようにお考えになっていらっしゃるのではないかと感じるのですが、社会主義は、人間の経済活動を進化論と自然淘汰の理論を援用して<自然なシステム>として捉えたもので、社会主義はそれ(資本主義=自然なシステム)を改善するもののように主張するものだと思うのですが、社会主義は実際にはキリスト教圏での原始共産主義(カトリックの体制に基づく共同体主義ですね)に代表されるように、資本主義より先に登場したものです。多分、そう考える人が今は少なくないのではないかなと思います。数学者のナッシュがナッシュ均衡というものを提示して以降、経済学の世界では<競争が存在する世界においても平等が存在し得る>、つまり<資本主義は不平等の理論ではない>ということがデフォルトになっているように思います。詳しくはナッシュ均衡について参照してください。これはもちろん、より正確には平等や公平の理論ではなく、資本主義によって誰も得しないこともあり得る、という消極的な理論ではあるのですが、ネオリベラルの主張するところとしては、<新しい形の平等>を保証する根拠とされています(もちろん、それもアジテーションに過ぎません)。また、現実でもサブプライムローンの問題に代表されるように、資本主義(というより自由主義でしょうか)のシステムはより悪化したのは確かですが、それでもそれは資本主義が歪んだ形で運用されているためで、資本主義のシステム自体に問題があるわけではなく。そもそも資本主義の土台となっている株式会社のシステムですね、こちらは<ゴーイングコンサーン>つまり<その会社は永遠に続く>ということを前提として運用されなければいけないものです。<この会社はこれからもずっと続きますから、先にお金を貸してください>と言って資金を募るのが株式会社というシステムですね。これは、現代では例えばキックスターターなどのシステムでかなり健全に運用されているように感じます(今後悪用する人たちもまた増えていくのかもしれませんが)。いずれにせよ、例えばこれは今でもかなりの方が誤解していることなのですが、<人間の活動>は<自然現象ではない>ということを、大前提として考えなくてはいけません(この点は室町様が書かれているのと同じように考えていると思います)。ですので、<人間の活動>を<自然現象>として捉えている理論というのは、おおむね誤っているものとわたしは認識しているのですが、いかがだったでしょうか(先走ってしまったので、補足します:つまり、室町様の引用されているマルクス自身が、自分の提示している理論について誤認しているのでは? ということなのですが、その点が社会主義の理論自体にわたしが不可解さを覚える点です)。……とは言え、わたしが興味を持ったのは室町様の描いた<生きた哲学>ですから、今後どのようなことを綴って行かれるのかな、という点については興味深く感じさせられました。
---2024/11/23 09:26追記---
---2024/11/23 09:30追記---
---2024/11/23 09:32追記---
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