ポイントのコメント
[アラガイs]
追憶への思いが深々と伝わってきます。そろそろと季節は綿帽子を被りはじめる銀木犀の姿に、今は遠い君への想いが重なる頃。(あの日、君の手は冷たかった)と断定するのは後に続く (追憶の中で 初めて知った)と現況を語る事を考える合わせると、そのときの冷たい手は何を意味するのか、と云う事がこの詩の中核になります。仮に、この手は冷たかった、をそのときの君の心情に重ねて、もしもこの手の冷たさがそのときのこころを言い表したものならば、当時君の冷たいこころを読みきれてやれなかった心情の告白になります。そしてその理由は後になってから初めて気がつく訳です。ならばその理由も読者は読んでみたくなる。言い訳でもするような筆者の記述がもう少しあれば、ドラマチックセンチメンタル。もっと入り込めてゆける。たとえ感情的になることを拒んだとしても、このままでは君との関係が掴め難いままに終わっている気がします。
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