ポイントのコメント
[シャドウ ウィックフェロー]
こんにちは、初めまして。ダイシンボルガードは、40年以上前のダービー馬ですから、さすがに私も知りません。でもスタートで一番人気のタカツバキが落馬し、ゴールでは担当の厩務員が「俺の馬だ!」と叫びながら馬場へ乱入したのは、伝説として知っています。 私が競馬を知ったのは、ハイセイコーからで、愛読書は寺山修司の競馬エッセイでした。花形さんの文章を読み、その中の馬敗れて草原あり、にあるタカライジンのエピソードを思い出しました。中山大障害を三連覇したフジノオーの影で、三連続二着したタカライジンの話しです。その三年目、寺山はタカライジンのファンでしたが、フジノオーで堅いとみて単勝を買おうとします。心と財布は別物よ、というわけです。でも直前になって迷います。これまでタカライジンに惚れて損もしてきたけれど、もし今ほんの僅かな利回り欲しさに彼を裏切って、その栄光に泥を塗るようなことになったら…そう考えるとタカライジンを買わずにいられなくなり、有り金全部をその単勝に入れたのです。 レースは完全なマッチレースとなり、二頭はまるでコインの裏表の様に、ぴったりと重なって併走し続けます。しかし、やがて一頭が競り負けて、僅かに遅れだします。それはタカライジンでした。寺山は、火傷するような絶望のなかで、えもいわれぬ快感のわくのを感じます。それは、起こるべきことが起こった、という感じでした…。 この純愛に殉じるような、一種マゾヒスティックな姿勢は、花形さんの創作にどこか通じるものがあると思います。 コメントに長々と書き連ねてしまい、どうも失礼しました〜
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