オクノホソミチ 〜KAZANAGI風味〜/Rin.
んとうはみんな、聞くよりも話したくてたまらないはずなのだ。みんな自分の恋は誰よりも素敵だと思っている。それは当然であるし、それが当然な年齢だ。
実は私も話すほうが好きで、喋りたくて喋りたくて、「うー。」となっていた。でも、ネタが少ないのもあるが、まっさきに話し出すことには少々抵抗があった。結構みんな同じことを感じているのか、誰も口を開かない。それぞれがそれぞれに、
「お先にどうぞ。」
「いやいや、年の順でハルカからどうぞ。」
バスの座席じゃないんだから、と思いながら譲り合いを続けているうちに、私のまぶたはとろーんととろけてきた。
誰の口からか、恋には果てしなく遠い話題が飛び出した
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