天衣無縫/相良ゆう
 
昔 あなたと同じように 浮世にたゆたう 迷えるものでしたから」





羽衣を返すのは変わらずに惜しいことでしたが 舞と羽衣の名前は気になりました

 


名前を知らずには 至福の本質には触れられない 

天女は昔 今の自分と同じく 浮世のものであった 

という天女の言葉も手伝って




終には名前を教わるのと引き換えに 羽衣を天女に返しました





「ありがとう 約束どおり 舞の名前と羽衣の名前を 教えましょう」

 羽衣を纏った天女は 天の羽衣を翻し 至福の舞を踏み 答えました






「此の舞の名は『詩吟』
[次のページ]
   グループ"四文字熟語"
   Point(3)