即興詩会(飛びいれ!火にいる夏の虫、編)1/ワタナベ
 

保健室のベッドの
きれいな窓では
ぼくらが泳いでいた
夏が終われば
冬がくるから
こうしていれるのも今のうち

明日にはたぶん
ひえたベランダに
素足が
白い肌が

あいまいになる境界のそばで
しずかに凍てついた
そらのしたで黙り込む
ふたり
(ここは どこですか 亀裂が)
(入る)

楢山孝介 [18:05:58]
空気が凍っていて外に出られないと
そんな馬鹿な冗談につられて
玄関まで出てみると
凍った空気の中を
無理やり進もうとした君が
半身を空気に取り込まれ
青ざめた顔をこちらに向けていた
[次のページ]
  グループ"現代詩フォーラム即興詩"
   Point(2)