即興詩会(飛びいれ!火にいる夏の虫、編)1/ワタナベ
 

次々と出てくる行方不明者たち
おかしなことにそれらを全部足すと
クラスの人数の倍ほどにもなった

二学期が始まってしばらくすると
まず始めにK君が姿を見せた
それからY君やM君やN君やO君や
その他の誰彼が次々と出席し始めて
教室はとても狭苦しくなってしまった

実はK君なんていなかった
YもMもNもOもその他も
僕が理想の友達を一人欲しがって
些細な嘘をついたがために
みんながみんなが真似をし始め
嘘の責任を連帯で取るはめになってしまった
他のクラスの連中に指差されて笑われながら
僕らは汗にまみれてノートを取る

貴子先生の
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  グループ"現代詩フォーラム即興詩"
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