小説『Is it no use crying over spilt milk?』(2)/
 
「お、こんな時間に珍しいっすね恭平先輩!会社、とうとうクビっすか?」
ガハハと豪快に笑う彼女。考え事をしているうちにどうやらいつもの場所に着いていたようだ。
「やあ、めぐちゃん・・・。」
もう慣れたものの、このギャップにはいつも驚かされる。
彼女、めぐちゃんは黙っていればかわいらしいが喋りがオヤジ臭い。
女好きの多い我がサークルにおいて男どもに手を出されなかったのは彼女だけだろう。

周囲を見渡すと案の定聴衆はいない。
通行人は皆忙しそうに早足で通り過ぎていく。しかしそんな事は一向に気にした様子もなく彼女は日課を再開しだした。
めぐちゃんが唄うのはほとんどコピーだ
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