kirameki/はらだまさる
 
―――水脈と暗殺のためのエチュード

 「水脈」

蛙たちが、並列させられ
陽光を反射しながら追いかけてくる
眉間とこめかみの、土色とゴールドの表皮上で
古い汗は、不規則にぼくらを疾走して
愛だとか、力だとか、未来だとか、可能性とか
無限のエスポアールを反芻する

水のない不安な土地で、感情を譲歩し合う人々の
欲望し、乱立する森で精霊だけが歌うのだ

母音にしがみつく
コスモスに描かれた輪郭だけで
田畑や果樹園を濡らす雨は、死んでゆく

ぼくらのつばさは、鮮やかな呼吸で立ち上がり
指輪を外し、首飾りを捨てて群衆のうえに飛び上がる


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