降り来る言葉 LXVIII/木立 悟
 




音のにおいが喉を荒らす
けして呑み干しはせぬ光
壁を越える羽
耳元で話しかけられる
洪水の日のはじまり


砂に突き立てられた羽
あらゆる風に揺るがぬ羽
進めば進むほど狭まる路地で
目から紅茶をふるまう子


宝石に埋まる手
指のはざまからこぼれる空
笑う背 笑う背
血が分ける甲


一ツ目の光の樹の巨人が
朝の終わりを見つめている
冬の透景 凹景に
触れる指を 見つめている


冷たさは腹を目指しながら
常に背中で迷い乱れる
見失う行方の切れ端が
鳥の横顔を飾りたてる


子の目から紅茶を呑みながら
光を散らす坂を見
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