夏の骨/今唯ケンタロウ
 
たのしいね……
「……うん……うん……
 …………
 まっ青な空がひろがり、波の音が高い。
 子どもたちのすがたは、小高い砂山にかくれて、みえなかった。
 ここちよい風がふいて、子どもたちはふとだまった。
「……あっ」
 かけ落ちたとりでの一塔のような、くものかけらがうかんで。
「……



 
                    十一
 
 つめたいまっくらやみの中で、とてもとてもしずかに、なにかあたたかなものをふき出している場所があった。やわらかなとっきみたいな……
 つめたさと、あたたかさのまじいるそこは、たどりついたあらゆるものたちの、やすらぎだっただろ
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