夏の骨/今唯ケンタロウ
びいていた。
十六
空にまた星たちがかがやき始めていた。
十七
砂浜には、もうだれのすがたもなかった。
あいかわらず砂浜の景色はうすぼけて、海面は、うごいているのかいないのか、わからない。風も、よくわからない。
うちに帰りついた子どもたちは、だれにも知られずに、ひんやりしめったとこにつき、そしてきづくのだった――夏がおわったことに。
自分が、今はもうまぼろしであるということには、ただ、もう少し、きづかないふりをして。
*
子どもたちはまた明日も、砂浜で骨をみつける。 グループ"詩童話篇"
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