モーニングコールは願うほど遠ざかる/山中 烏流
です
そういえば
みみもとにさえずるこえは
ゆりかごほどではなかったといえど
おなじようにあたたかく
やわらかいものでした
すずめのこえでなかったことは
いまでも
はっきりとおもいだせるのですが
それがなにものであったか
と、いうことまでは
いまはもう
おもいだせません
ひだまりは
くさりおちればいい、とおもえるほど
あふれているというのに
わたしのもとめるあさが
ひとひらもみあたらない、というのは
どういうことなのでしょうか
こたえをだれかにもとめることすら
まちがっているのなら
いつまでも、わたしは
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