エリオット「伝統と個人の才能」/藤原 実
 
e>
「詩は、精神をいまだ理解されない幾多の思想のくみあわせを入れる容器とすることによって、精神そのものを覚醒させ拡大する。詩は世界の美をおおいかくしているヴェールをとりのぞき、日常卑近の事物をも新奇なもののようにみせる」
                  (シェリー「詩の弁護」森清訳/「世界の詩論」(青土社))


これなどエリオットの評論にはさみこまれていてもぜんぜん違和感がない考え方だろう。エリオットはもちろんシェリーを読んでいる。そしてはげしく批判もしているのに。(そしてずっと後年になってからエリオットのシェリー評価は劇的に変わった。(<参照>星野 徹
[次のページ]
   グループ"『世界の詩論』(青土社)を読む"
   Point(7)