天使祝詞 ウリエル/The Boys On The Rock
 
 ・・・ひとりのこどものために

人間の中で
いつもわたしは震えていた一人のおさな子だった
ふたおやの不当な暴力に 無力であり
理不尽な要求に 声を震わせ 慄き
欲望の魔の手に この身体を差し出すしかなった
いつでもわたしは
自分自身を投げ出す定めに生まれてきたのだから
薄汚れたわたしの顔を 大人の視線から見くだす 彼らには
わたしがマラーク*だとは 金輪際気づきはしないだろう
神の使徒を自任するものたちですら
わたしの外見や境遇や人格に触れ
神のみわざに 感づくものは少ない
わたしは いつも産業廃棄物の最終処理場の
油染みた鉄管や折れた軽天材や塗料の残る空き缶の山の
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