小詩集【にゃお。】/千波 一也
 
  もうやめましょう
  恨みつらみも憎しみも
  優しさという
  そよ風も


   むかし、
   草原だった日の思い出に
   にわか雨が降ります

   ちいさな箱で
   目覚めることが
   見上げるかたちの
   ひとつ、として
   すっかり
   穏やかです
 

    だれか、
    抱きかかえてくれますか

    それは
    怯える数にも
    勝るものだ、と
    教えてくれますか
    最後の最後まで


  行き止まる壁には
  色がありました
  すれ違ってきた手を
  ほどよく匂わすよう
[次のページ]
   グループ"【こころみ詩集】"
   Point(7)