小詩集【招かれざる客をあばく夕べの招待状】/千波 一也
を
わかっているからといって
そのままに
歩けるわけではない
そうしてそこに
勝敗を持ちかける者もある
そんなふうにどの意味も
無の向こうから
生まれくる
想うことを癒しとすれば
想うことは傷にもなるだろう
いちばん遠いものたちは
どこかをさかいに
いちばん近い
限りなく
限りあるすべてを拒んでゆけ
あの
空に架かる絵は
相似を招きはしても
整合を招きはしない
それが本来の
さよならのやわらかさ
容易いとおもえば容易く
難しいとおもえば難しい
あきらめをあきらめて
ゆるしをゆるして
限りなく
限りあるすべてを拒んでゆけ
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