小詩集【ルナ区の片隅で少年少女は】/千波 一也
 
のを
いまだ
わたしは
見つけていないけれど
いつか
いのちは
滅ぶのだから
かたちというものは
おのずと
うかがい知れて
目に見えずとも
手にふれずとも
みな生きてゆく
すり減りながら
みな死んでゆく
すり減りながら

いま
いたみに伏した
きみがために
同じ種族として
わたしに何ができるだろう
いま
いたみに伏した
きみがために

かたちあるものは
かならず崩れて
かならず終わる
されど
ねがいもいのりも
かたちが生んだ
かたちなのだから
消えゆくための
はじまりは
かならず
ある

いま
いたみに伏した
きみがた
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