メロディーの羅列たちが仔猫を取り込んでいったのです/今唯ケンタロウ
 
カカ
カカ カ ……
音符構造が複雑化した時に
メロディーたちは
あるグループはいやあらしい目をして
あるグループは至極冷静に振る舞い
あるグループは見下したようないやあらしい目をして
あるグループはもういなくなっていた
カカ カ
としか我我には聴こえない音符構造が複雑化したメロディーの羅列は
仔猫にはあり得ぬ絶頂を齎し至福にいたらしめることが
精密機械工学の研究から明らかになっているが
つまりこの時すべての仔猫は頭蓋骨になっていたので
             勿論一匹漏れたのも今は…
/皆既に内部機械構造として聴いていた《夢の延長》
      ≒
    外部共鳴和音として鳴っていた《残留物質》/
その時
あるグループはもういなくなっていたのだが
別の場所でいやあらしい目をして仔猫をみつけていくのでありました

   グループ"the etui of etudes"
   Point(5)