血/
遊羽
旅人は血
あてどなく彷徨い
訪れる場所に何かを残し
何かを持ち去って
また何処へともなく
去っていく
街というものが
心臓だの肝臓だとすれば
さしずめ僕は
その間を流れゆく
血のようなもの
血は迷わない
血は冷めない
そして
血は止まらない
けれど僕は道に迷い
寒さに震え
時には
立ち止まることもあるが
いつまでも血の如く
旅を忘れない
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