一週間 ー木曜日ー/海月
 
明日の花火大会の知らせがコンビニの壁に貼られていた
家からそれほど遠くないけど行く気がしない
それは単純に仕事の疲れなのかな?
社会人という存在だからなのだろうか・・・

数年前の大学時代
君と見たのを最後に花火を遠ざけていた
他の色で重ねて消さない様にしていたのかも知れない
色褪せない思い出は暗闇に一途に光る星

僕の運命とは皮肉なもので明日は夜まで仕事
どうせ行く人なんてお前に居ないだろう
上司が愛想笑いの中で言った
上司でなければ僕は殴っていたに違いない
ただ、僕の傍にはそんな人はいないのは確かな事だった
哀しき社会人は花の咲かない秩序の中に埋もれる

君は私のことを覚えていますか?
数年前の約束を覚えていますか?
もう一度だけ花火に連れて行ってくれることを
今度はラムネを君がおごる番だからね

錆び付いたポストに一通の手紙

忘れかけていた初恋の人
セピア色の思い出
崩れかけていた約束

忘れていたけど今日(もくようび)を生きている

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