アントラー(ウルトラマン)/角田寿星
 
だった彼が手製の修理キットで造りあげた様々の道具や
装置は私たちの命を繋ぎ止めた。船の機材だけでなく同胞たちの遺骸である
外骨格もアントルは利用した。
救出信号を送り続けた母星向けの通信機はやがて沈黙した。アントルは船の
動力源であった青石の欠片をバラージの尖塔に取り付け その輝きを惑星の
大気圏外に解き放った。


バラージ 蜃気楼のむこう
青石に彩られた美しい伝説
その光は夜になると殊更に輝き
砂漠を往く旅人たちの羅針盤になった という


アントルほど青石を愛した者もいなかっただろう。
青石にはぼくらの夢と希望が詰まってるんだ アントルは常々語った。
青石が輝
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