メモ/はるな
 
ら、木々に水をやり、花を剪定し、娘の髪を梳く。でも、本当にもうどこにいないかもしれない。思うことや考えることは、誰かだって同じようなことを考えているだろうし、細かい細かい傷もありふれていてどこにもあるので。どこにもいないかもしれない、と思うとき、ちょっとこのこの世界にいるような感じがする。どこにもいないかもしれないから、別にいてもいいのかなと感じる。テレビ、ニュースとニュースの隙間、花が咲いてちょうど散る瞬間、風船の空気が抜け始めたところ、夕方、電気をつけようかつけまいか迷うくらいの薄暗さ、そういうところには、別にいてもいいのかなと感じる。


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