読むことのスリル──ひだかたけし小論(5)/朧月夜
てみせました。ひだかたけし氏の詩においても、「)」(括弧閉じ)に独特な使い方が見受けられます。通常は「(」で示されるべきところを、「)」つまりは「括弧閉じ」(意味の終端)で表しているのです。そのことに、深い意味を読み取ってみても良いでしょう。一例を挙げれば、次のような詩があります。
)ゆっくりゆっくり流れる時間が
)いつしかゆるゆる止まり始め
)魂はまたうっとりとして
これは、「独り、イートインで」(*1)という詩です。また、「イートイン」という言葉が出てきました。氏の詩において「イートイン」という言葉が現れる頻度は高く、今現在のところ20篇近い詩において、この言葉が
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