エインスベルの反逆(八)/朧月夜
 
エインスベルは、まずイリアスの身を案じた。
彼女の身の安全を確保することは、
アイソニアの騎士を味方につけることにも通じる。
アイソニアの騎士の存在は、何よりも彼女の計略に不可欠だった。

しかし、そこからどうしよう……
アイソニアの騎士はアースランテの千人隊長であり、
クールラントとは敵対する存在である。しかし、
祭祀クーラスが亡き者となれば、どうなるか。

エインスベルは、祭祀クーラスの暗殺を画策した。
その後釜には、穏健派の祭祀を据えれば良い。それは誰か?
エインスベルは、ウルム・ルーランテをその後継として考えていた。

が、最大の障害はフランキス・ユーランディアである。
彼は、アイソニアの騎士の宿敵であり、幾度か剣も交えていた。
クーラス一派を滅ぼすということは、エインスベルにとっても多難だと思われた。
   グループ"クールラントの詩"
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