錯綜する思惑(六)/朧月夜
コイノス・ヤー・ガレンはエイエントスの王である。
ドワーフという屈強な、しかしどこか間抜けな民衆を率いている。
ライランテという一大陸にあって、ヤーコンの民たちはどこか不遇をかこっていた。
アースランテやラゴスという一大勢力に押されて、
狭い土地へと追いやられた者たちが作った国々、
エイエントス、ヤファベリ、ミマスノテス、コザーレイ、キムン。
そして、ファハスベリ。それらの国々は、忍耐を強いられていた。
交易のための道筋も確保できず、商売を行う先は限られていた。
しかし、弱き者がそのまま弱き者であっても良いのか、諸国家の王たちは思案していた。
戦争がこの屈辱を追い払ってくれるのであれば、我々は戦乱に身を任せても良い、
と、それら国々の民たちは思っていた。「今は戦う時だ!」と。
そして、コイノスは国民たちに布告した。
「今こそ、我はアースランテに与したいと思う。そこから、
エイエントスの新しい歴史が始まるのだ。我が国に栄光あれ!」と。
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