連合軍の反撃(五)/朧月夜
「あなた。祭祀クーラス様からの伝令が参っております」
クシュリー・クリスティナは、臍を噛んでいるエイソスに言った。
「何。伝令だと? どのような内容なのだ?」
「それは分かりません。書類を託されていると言っています」
「よし、通せ」戦士エイソスは椅子に腰かける。
「初めまして、戦士エイソス殿」部屋に入ってきたのは、
歴戦を経験してきたと思われる、初老の男だった。
「内密なお話があって来たのでございます……」
初老の男は事の次第を戦士エイソスに語り聞かせた。
その間も、戦士エイソスは臍を噛み続けていた。
「そのような卑劣な役割……。いや、これは正式な作戦なのだな?」
「はい。そうでございます」祭祀クーラスからの使いが答える。
「よく分かった。我が軍の指揮は、腹心ハリヴァ・ノアに任せよう。
クシュリー、すぐに早馬の用意をしてくれ!」
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