オスファハンと盗賊ヨラン(十二)/朧月夜
 
「わたしはそれを探り出してみせますよ」ヨランが再び微笑する。
「それがお嫌であれば、今すぐわたしを殺すことです」
「わたしはクールラントとの火種を望んでいない。
 お前も、そこにいる傭兵も、わたしが殺すことはあるまい」

「しかし、あなたはそんなことをわたしに教えて、
 何の利益があるのです?」ヨランは当然とも言える問いを発した。
「親娘の情だ、とでも言っておこう。これ以上はかまうな」
オスファハンは踵を返して、ヨランたちの元から立ち去った。

「おい、盗賊、ハーレスケイドとは何なのだ? それが俺たちの目的地か?」
「そうかもしれません。しかし、それだけでは駄目かもしれませんね。
 わたしどもは、虹の魔法石を探し出さなければならないのです」

「そんな途方もないことを? 幽冥界の場所を知ったところで、
 いったいどこを探すというのか?」不審に満ちた表情でエイミノアが問う。
「ここからが、わたしの本領を発揮するところです」ヨランは静かに答えた。
   グループ"クールラントの詩"
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