ドラゴンたちの降臨(四)/朧月夜
中でも、アースランテに降臨したドラゴンたちは強力だった。
彼らは、火炎によってファシブル、ラゴス、クールラントによる
占領地を焼き払っていく。そこに慈悲はなかった。
ハッジズは、多少の自国民の犠牲も覚悟していた。
(ライランテ大陸は、この俺が支配してみせる。
古の文化国家のように、繁栄した文明を築くのだ)
しかし、その思惑もエランドルの主意とは異なる。
エランドルの目指しているもの、それは神々のいない世界だった。
人とドラゴンとが手を取り合い、いや、あるいは一方が他方を滅ぼすかもしれない。
が、それは些細な問題だ。このヨースマルテには、新たな秩序が必要なのだ。
人は、アースレジェだけでなく、ハーレスケイドにも住むことができる。
しかも、ハーレスケイドでは時間というものが止まっている。
誰しもが、永遠の時を生きることが出来るのである。
エランドルは、今後何百年の時をかけても、その思いを実践するつもりだった。
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