『人体模型ノぶるーす』  /【笑い部門】/ハァモニィベル
 
 「ねえ、ベル君。わたしのどこが好き。」
 「え?うまく言えないんだ」
 「じゃあ、このノートに書いてよ」
 「え?新しいノートなのに、そこに書いちゃっていいの?」
 「ねぇはやく。お願い。好きなところあるんでしょ?」

鉛筆を取りあげると、彼は、
緊張しながら、
彼女がいつも、後ろの席にいるじぶんの方に振り向いて
明るく話しかけてくるときの爽やかなあの笑顔を思い描いた。
そして、真っ白なノートの真ん中に、
こう、書いた。

    胸鎖乳突筋

  (バチン!!)※頬をぶたれた音

 「酷い!! わたし、乳首立ってないからね!」
 「う、うん。ごめん」


[次のページ]
   グループ"お題バトル/勉強会等 課題投稿作品集"
   Point(1)