世界で最も哀しいポーカーテーブル/りゅうのあくび
すました顔のままで
トランプの手札をふいに見る
余裕をちらつかせた得意のブラフで
先にあるチップも巻き上げたばかり
次から次へ老境にあるチップ全てを賭けて
さらに威力を増したブラフが
上手く逝くとだけ
そう信じていただけじゃないのか
決して悪くもないナンバーと
けれども良くもないピクチャーを
隠していたトランプのカード
立ち向かうポーズを取って
暗夜の戦争を知らずにいた
老人が自分の命にすら
値段を付けたラストゲーム
本当は誰も付きはしないはずだった
いつか昔のポーカーテーブルで
つい最初に誰かがトランプのゲームに
乗ってみただけで
気まぐれの真実が始
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