ラ・ラ・ラ族/るるりら
ずっといらっしゃったのです
ゲンバクのことを人々が忘れると だれかが言っています
わすれられるものなら忘れたら いい
口にしたくなければ 口にしなければ いい
とてつもないひかり ただただ臭かった廣島の町
着ていた服どころか皮膚までも 剥ぎ取られて
食べるものもなく 彷徨う人々
毎日毎日 煎餅布団と寝た貴女は
しつこいくらいに
いつも わたしのふとんが ふかふかであるように心配してくれた
高窓から さしこむ光に
綿毛が舞い上がるように
浮いて かろやかに歌うのは
少女のままの貴女
うつくしい裸族としての朝
わたしも空をとぶ
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