ラ・ラ・ラ族/るるりら
 
ずっといらっしゃったのです

ゲンバクのことを人々が忘れると だれかが言っています
わすれられるものなら忘れたら いい
口にしたくなければ 口にしなければ いい
とてつもないひかり ただただ臭かった廣島の町
着ていた服どころか皮膚までも 剥ぎ取られて
食べるものもなく 彷徨う人々
毎日毎日 煎餅布団と寝た貴女は
しつこいくらいに
いつも わたしのふとんが ふかふかであるように心配してくれた


高窓から さしこむ光に
綿毛が舞い上がるように
浮いて かろやかに歌うのは
少女のままの貴女
うつくしい裸族としての朝
わたしも空をとぶ
  グループ"Democratic Poems"
   Point(22)