Cigaretteが消していく未来と命/りゅうのあくび
 
二十歳になったばかり
一方的な失恋の末
浪人時代の
受験戦争に嫌気がさして
Cigaretteを吸い始めた

カリブ諸島原産のCigaretteは
大航海時代にコロンブスが
率いるアメリカ探検でヨーロッパに
伝わりCigaretteの害を知らずに
世界中の数えきれない
人間が煙のように命を消した

その昔
立ち上る煙は戦争が
始まる合図だったが
現代では緩やかな自殺を
思う人の命が削られている
サインでしかない

お世辞でも
美味しいとは言えない
煙の味は
時間とお金と健康を
大げさでもなく
確実に壊しているのだ

せきばらいをする彼女がいて
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