川岸/るるりら
 
家の目の前が川だから 安心だ
泳ぎ疲れても すぐに家に帰ることができる
天井川沿いに建つ我が家までは
ほんのわずかの距離なので
帰り道は スクール水着のまま 裸足で家に帰る
焼けついたアスファルトの土手を裸足で 歩くと
いつもの ピッチを忘れ とびはねながら
道をゆく

裸足で世界を歩いているのは
わたしだけじゃない
海へつづく 土手の上を
たくさんの蛙が 登ってきている
蛙の世界は 私の世界とは まったく別の世界だとは
思えない
無数に産み出されたゲコゲコという濁点ばかりの歌が
人々の線引きである田んぼの畝などは おかいまいなしに
蛙にとってかなり高い高さの土手
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