白痴のこと/
りゅうのあくび
いて
そして彼女は
汚れるのが嫌いだ
身奇麗にすることは
快適さではなく
彼女にとって
けがれでしかない
自分では風呂も
入らないし
爪も切らない
それで彼女が汚れる
と思ったときには
抵抗もするし
物陰にも
隠れようとする
何より高いところが
好きだし
無礼は嫌いだ
時々
お腹が減っては
しっぽを
ぴんと立て
それからひげを
震わせて
鳴く
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