白痴のこと/りゅうのあくび
 
いて

そして彼女は
汚れるのが嫌いだ
身奇麗にすることは
快適さではなく
彼女にとって
けがれでしかない
自分では風呂も
入らないし
爪も切らない

それで彼女が汚れる
と思ったときには
抵抗もするし
物陰にも
隠れようとする
何より高いところが
好きだし
無礼は嫌いだ

時々
お腹が減っては
しっぽを
ぴんと立て
それからひげを
震わせて
鳴く

  グループ"猫詩集"
   Point(9)