紅葉みたいに恋舞うときに/りゅうのあくび
暮れなずむ
誰かの小さな紅葉は
夕焼けに包まれて
橙の肌に
色差す風に
運ばれながら
恋の水面を揺らして
紅葉がはらりと
夜空に舞いながら
寂寞の湖を
くれないに染め
恋は彩られ
暖かいあなたの
少しだけ
小さな手のひらは
夕暮れに
そっと茜色に
燃えるように
過ぎゆく秋の
ずっと遠くまで
色付いた
森の奥深く
峰々を超えて
億千あるうちに
誰かの紅葉のひとひらを
あなたの手のひらで
暖めてくれたなら
しっとりと
大地に命が灯もって
きっと
あなたの想いに
ひとひら
恋が舞うだろう
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