レールウェイの先は霞んでいる/竜門勇気
 
個室もぼろだからな・・・あたしは目をつぶった
修理依頼の提出もめんどくさいからランプは点けっぱにしておこう
せめて本か音楽でも持ち込めたらな 重量制限(ペイ)は下着で精一杯だし
頭の空きに埋め込(カキコ)んじゃおうかな・・・ってとりとめもなく考えてた

ちょうど個室はレールウェイの折り返しに差し掛かるあたりだったらしくて
見せ掛けの重力(ニセG)が働きはじめてた 個室が回転しながら
釣り合いを取って円心力に底を向けていく やっぱりぼろの ベアリングがきしむ音が聞こえた
あたし はっとしてなんにも考えられなくなった

あたし いま 世界の外側にいる

もちろん地球(ユリカゴ)
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