Miz 8/深水遊脚
と軽く伝えた。このサプライズだけは彼の頑張りを誉めてもよかった。もう少し柔軟にこちらの気持ちを汲んでもらったなら少しは心地よく酔えたのに。気合いのほどはわかった。でもこの先どの面提げて私を口説くつもりだろうか。将来彼が出会う女性のために、彼に向けた辛口の助言をあれこれ思い浮かべ、身構えていたところに、マスターが古びたノートを持ってきた。
「よろしければ今日の記念に言葉をこのノートに綴ってみませんか。詩の好きなお客様が多くいらっしゃいますので、誰からともなく始まったノートです。カフェロワイヤルを注文されたお客様皆さまにお勧めしております。」
気が進まない彼の様子を見極めて、さっとノート
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