(ステージ)/はるな
 
ように、とおくからながめているだけのひと、けして、きてはくれないくせに、気づいた時にはどこかへいってしまっているひと。どうして、手に入れたことのないものを、失うことができるのか、ある芸当、それは、わたし自身のフィールドでおこなわれる。


まず考える。わたしはふたつのステージを持っているかもしれない、一つ目のステージはわたしのまわりを覆う、うすい膜だ、そして二つ目のステージは、それよりもだいぶ範囲が広い、わたしの腕をひとふりできる幅をもっている。そして、二つ目のステージの外がわにはせかいがある。わたしはわたし以外のひとが、そのひと自身のステージをいくつもっているかはしらないが、(たとえば、い
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