豚カツと燗酒/……とある蛙
 
五時半暖簾をあげる女将

 「やってるかぃ」
 「今あけた(開店した)ばかりだけど
  早いのね」

 「ご挨拶だなぁ
  今日は涼しいから燗つけてよ」


とり鍋ぼたんの斜向かい
全く無名な豚カツ屋
木造二階の古い店
テーブル四つの狭い店
女将とおやじの二人だけ
白木のテーブル古いけど
行き届いてる清潔さ。

 「いつものね、あと一本つけて」

 「はいロース一枚、お酒つけて」

桜正宗の燗酒一合
肴は小鉢のお新香少々
いつでも白菜のお新香が
切り口を上で
テーブルに
そこに七味をしこたまふって
(瓢箪から七味!)
醤油を一滴、二滴と垂ら
[次のページ]
   グループ"酔"
   Point(5)