豚カツと燗酒/……とある蛙
五時半暖簾をあげる女将
「やってるかぃ」
「今あけた(開店した)ばかりだけど
早いのね」
「ご挨拶だなぁ
今日は涼しいから燗つけてよ」
とり鍋ぼたんの斜向かい
全く無名な豚カツ屋
木造二階の古い店
テーブル四つの狭い店
女将とおやじの二人だけ
白木のテーブル古いけど
行き届いてる清潔さ。
「いつものね、あと一本つけて」
「はいロース一枚、お酒つけて」
桜正宗の燗酒一合
肴は小鉢のお新香少々
いつでも白菜のお新香が
切り口を上で
テーブルに
そこに七味をしこたまふって
(瓢箪から七味!)
醤油を一滴、二滴と垂ら
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