原風景8/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
。とたん心が軽くなった。
 もし権藤が出たらと思うと。
 それだけが心配の種だった。権藤が出たら、朝の大事な時間を、出勤しろだけの押しで必ずつぶされ、しかもちょっとでも気を強く持てなければ言うままに流されて、そして無意味な一日が過ぎる。
 今となっては、そんな時間がただもったいない。
 どうせ今日休もうが休むまいが、クビは決定的なのだから、割り切って考えるべきだと思った。
 欠勤の電話を無事終えると家に戻って朝食を食べ、時間を見計らって再度外へ出た。
 図書館へ行くためだ。

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