猫のこと/はるな
 
ッカー気味のちらついたの、音のないの、痛みを伴うの、うすっぺらい色だけが流れる抽象画のようなの。いくつも。
このあいだの夢ではわたしは高校生だった。枯れ木のような腕と脚、袖のゴムののびかけたカーディガン、ばかみたいに短いチェックのスカート、紺色のくつ下、上履き、つめたいタイルの、不潔そうな床。呼び出されて、特別教室に行くと、以前に好意を寄せていた男の子と、その男の子の担任が向かい合って座っている。男の子は、わたしが最後にみたときよりも少し太っていて、肌が荒れ、そのうえ頭髪が薄くなっていた。たぶんわたしたちはたがいに高校三年生で、卒業式まであとわずかな時期だった。彼の、その年齢の男の子であればかみ
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