おとといのこと/はるな
おとといの晩、列車をのりついで、姉がこちらへ来た。
電話が来たのが六時半で、その四時間あまりあとに明石のコンビニエンスストアで発見したとき、姉はおそらくいそがしく泣いたり、笑ったり、落ち込んだり、したのだろうという顔でいた。
フェイクファーのコートに、すてきな柄のワンピースを着ていた。ほんとうに思い立ってそのまま来たといういでたちで、ちいさな黒いかばんを提げて。いくつもの袋を持っていて、そのなかには途中の駅で買ったであろうふろく付の雑誌や、化粧水や保湿クリームや、飲み終わったハイボールの缶や、つけまつげやクリームクッキーが入っていた。そのうえにコンビニエンスストアでもまたアイスクリームやス
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