霧の様な死あるいはナルシシズムについて/立原道造を読む/渡邉建志
さよ ああ このひとときとともにとどまれ
うつろふものよ 美しさとともに滅びゆけ!
やまない音楽のなかなのに
小鳥も果実も高い空で眠りに就き
影は長く 消えてしまふ――そして 別れる
二 虹の輪、について
阿呆な感想だけど、うわぁ、という感じです。たとえば
あたたかい香りがみちて 空から
花を播き散らす少女の天使の掌が
雲のやうにやはらかに 覗いてゐた
おまへは僕に凭れかかりうつとりとそれを眺めてゐた
この部分、もういっこいっこ抜き出して語ろうとすると全部になってしまうぐらい。無粋
[次のページ]
前 次 グループ"フレージストのための音楽"
編 削 Point(13)