ある15歳の経路/小林レント讃1/渡邉建志
あるいは歌うためのくりかえしもある。(トカゲが走る/トカゲの群れが走る/子供が走る/子供の群れが走る) そうしたさまざまな前のめり構造の中で、横滑り型脳細胞は女、男を走らせた後ついでに両性具有を走らせてみたりする。その意外性というかちょっとだけ飛躍した連想性は、これは彼のユーモアなのだけれど、読者は単にからからと笑っていられなくて。笑っていると置いていかれる。
この詩にあるのは意外と単純なくりかえし構造なのであるが、そこに声を聞き出だすとき、それを稚拙や単純といって笑うことはできない、ように。
そこにはたぶん歌があるのだ。読み手の受けを見計らうための間など存在しないのだ(ゝゝゝゝゝゝゝ
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